悪性症候群ー診断基準 4種類
2018-08-07


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表1.Levensonらの悪性症候群診断基準
以下の大症状の3項目を満たす、または大症状の2項目+小症状の4項目を満たせば確定診断
大症状
1)発熱  2)筋強剛  3)血清CKの上昇
小症状
1)頻脈  2)血圧の異常  3)頻呼吸  4)意識変容  5)発汗過多
6)白血球増多

表2.Popeらの悪性症候群診断基準
以下のうち3項目を満たせば確定診断
1.発熱(他の原因がなく、37.5℃以上)
2.錐体外路症状(下記症状のうち2つ以上)
1)鉛管様筋強剛  2)歯車現象  3)流涎  4)眼球上転  5)後屈性斜頚
6)反弓緊張  7)咬痙  8)嚥下障害  9)舞踏病様運動 
10)ジスキネジア  11)加速歩行  12)屈曲伸展姿勢
3.自律神経機能不全(下記症状のうち2つ以上)
1)血圧上昇(通常より拡張期血圧が20mmHg以上上昇)
2)頻脈(通常より脈拍が30回/分以上増加)
3)頻呼吸(25回/分以上)  4)発汗過多  5)尿失禁
上記3項目がそろわない場合、上記2項目と以下の1項目以上が存在すればNMSの可能性が強い(probable NMS)
1.意識障害  2.白血球増加  3.血清CKの上昇

表3.Caroffらの悪性症候群診断基準
以下5項目全てを満たせば確定診断
1.発症の7日以内に抗精神病投与を受けている事(デポ剤の場合2−4週間以内)
2.38.0℃以上の発熱  3.筋強剛  
4.次の中から5徴候
1)精神状態の変化  2)頻脈  3)高血圧あるいは低血圧
4)頻呼吸あるいは低酸素症  5)発汗あるいは流涎  6)振戦
7)尿失禁  8)CK上昇あるいはミオグロブリン尿  9)白血球増多
10)代謝性アシドーシス
5.他の薬剤の影響、他の全身性疾患や神経精神疾患を除外できる

表4.DSM−Wの神経遮断薬悪性症候群診断基準 (3332.92 )
A.神経遮断薬の使用に伴う重篤な筋強剛と体温の上昇の発現
B.以下の2つ(またはそれ以上)
1) 発汗  2) 嚥下困難  3) 振戦  4) 尿失禁  5) 昏迷から昏睡までの範囲の意識水準の変化  6) 無言症  7) 頻脈  8) 血圧の上昇または不安定化  
9) 白血球増多  10)筋損傷の臨床検査所見(例:CKの上昇)
C.基準AおよびBの症状は、他の物質(例:フェンシクリジン)または神経疾患または他の一般身体疾患(例:ウィルス性脳炎)によるものではない
D.基準AおよびBの症状は、精神疾患(例:緊張病性の特徴を伴う気分障害)ではうまく説明されない
[医療メモ]

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